2013年4月12日金曜日

広瀬小学校3学年「公園に光をともそう」

 20132月と3月に、広瀬小学校で建築と子供たちネットワーク仙台、そしてメカトロで遊ぶ会のコラボによるワークショップを行いました。
 対象は広瀬小3年生110名、地域にたくさんある小さな公園を調べたその集大成として、公園からみつけてきた宝物(葉っぱや石など)を建築と子供たちのカリキュラムから「視覚言語」と「自然のデザイン」を使ってデザイン、そのデザインを牛乳パックのラベルをはがしたものに描いて、今度は光のデザインをコンピュータでプログラムして、それに詩もかきくわえて、オリジナルの灯ろう110個を創りました。


公園で見つけてきた自然物を使ってデザイン画を描こう!
2013219日(火)
 広瀬小学校3年生の授業「公園の自然物でデザイン画を描こう」が広瀬小学校多目的ホールで行われました。1グループ4~5人で計21グループとなり、一斉に授業を行いました。生徒数が多いため、ネットワーク仙台からは7名がスタッフとして参加しました。
 絵のモチーフにするのは、あらかじめ公園で拾ってきた自然物です。絵を描いていく手順は「野菜の断面を描こう!」と同じですが、石や枝、葉っぱ等がモチーフになるので、野菜とはまた違った絵ができそうな予感がしました。はじめに、いつものようにルーペで観察しながらペンを使ってスケッチを行います。A4の紙の一部に小さい絵で描いてしまう場合が多いので、「なるべく大きく書いてね。」と言いながら廻っていきます。細かく観察し、自然物について気づいたことを引き出し線でたくさん描いてくれた子もいました。
作品を見せ合いました
 観察画をスケッチした後は、窓紙を貼り、画用紙の大きさに拡大してクレヨンで描いていきます。小さな窓紙を画用紙の大きさに拡大して描く作業では、方向(縦横)を間違えてしまう場合がありますが、その場合も紙の裏に描き直してもらいました。自由にクレヨンで描く作業はとてもよくできている児童が多く、モデルとは違った色を使って想像力を働かせながら絵にしていました。
 担任の先生からの「いつもは絵を描くのは好きじゃないけど今日は楽しかった人?」という質問に対しては、ほとんどの生徒が楽しかったと手を挙げてくれました。素直な感想をたくさん聞けたこと、とてものびのびとした素敵な作品を見せてもらったことでこちらも嬉しい気持ちになりました。




いろは姫にプログラミングしよう!
201335日(火)
 この日は、「いろは姫」の光り方をプログラミングし、「いろは姫」を入れる牛乳パックの灯ろうにロウ塗りをするワークショップを行いました。指導は「メカトロで遊ぶ会」の岩本正敏先生(東北学院大学教授)と鈴木南枝さん、それに建築と子供たちネットワーク仙台から2名がアシスタントにつきました。
いろは姫の光り方をデザインします
 「いろは姫」は、メカトロで遊ぶ会が開発した発光ダイオードを使ったコンピュータプログラム学習キットです。赤、黄、緑の3色の発光ダイオードの光りの長さや強弱などをパソコンの操作でプログラミングすることができます。「いろは姫」の光り方をプログラミングするためにはパソコンが必要になりますが、学校には20台ほどしかないため、3クラスそれぞれ2グループにわけ、1クラス当たり2時限を使い、ひとつのグループはパソコンの操作、もうひとつのグループはロウ塗りというように全体で6時限の活動となりました。
 牛乳パックの灯ろうは表面の紙がはがされ、そこに、公園の自然物を使ったデザイン画をもとにした絵と詩がすでに描かれていました。この灯ろうの表面にロウを塗っていくと、その部分から「いろは姫」の光がもれて、絵と詩がよく見えるようになります。ロウ塗りは、溶かしたロウを筆で塗っていくのですが、絵を描くようにさぁーっと塗るのではなく、ゆっくり押しつけるように塗るのがコツだそうです。子どもたちはそんな注意を聞きながら、どこにロウを塗ったら効果的なのかを考えながら作業しているようでした。
 パソコン操作のグループは、岩本先生にプログラミングの方法を教えてもらいました。はじめは戸惑う子もいましたが、すぐに操作に慣れて一人前のプログラマーになっていました。子どもたちは自分が創った光りのプログラムを「いろは姫」に保存すると、さっそく机の下にもぐって確認し、「よしここの光り方を変えてみよう」などといいながらプログラミングのやり直しをしていました。
 こうしてパソコンの操作やロウを塗る作業に苦心しながらも、わいわい楽しく灯ろうをつくることができました。完成したあと暗幕のある理科室で、一斉に点灯すると、その美しさに大はしゃぎ、踊りだす子どももでてきました。






公園に光をともそう!
201338日(金)
 38日は、広瀬小の3年生が学校近くの栗生西部1号公園にいろは姫の灯りをともす日です。パーゴラの下や木々の枝など思い思いの場所に子どもたちが取り付けた110個の灯ろうは、吹きつける寒風にくるくる回りながら暗くなるのを待っていました。やがて日が暮れてくるとあちらこちらで点灯しはじめ、午後6時ごろにはすべての灯ろうに灯りがともりました。気がつくと300人ぐらいはいたでしょうか。大勢の保護者や地域の方々が子どもたちを囲んでいました。そのなかで行われた点灯のセレモニーは、東日本大震災で犠牲になった方々への黙とうではじまり、灯ろうに書かれた「詩」の朗読と、リコーダーの伴奏での「一人の手」の合唱が披露されました。「ひとりの小さな手では何もできないけれど、みんなの手があつまれば何かできる・・」の歌声に公園に集まったみんなの心に春がやってきました。
冬の公園でこんなにたくさんの人たちと過ごしたすばらしい時間、大切な思い出として子どもたちの心にいつまでも残ってほしいと思います。
嬉しそうに灯ろうを見る子どもたち



灯ろうの詩を発表






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